既に5台のGarminデバイス購入歴のある私ですが
自分の運動記録のみならず、健康状態まで表示してくれるGPS搭載スマートウォッチ。私のGarmin歴は VÍVOACTIVE J HR→ForeAthlete 245 Music→ForeAthlete 745→Forerunner 955 Dual Power→Forerunner 965とステップアップしてきました。
Forerunner 965を日常利用していて不満はないのですが、先週目に入ったのがVenu 3の発売。こちらもスポーツアクティビティに対応し、多機能を謳っています。果たして何が違うのか?私なりに調べてみることにしました。
現在メインで使っているGarmin Forerunner 965 購入の記事はこちら
Garmin Forerunner 965と Venu 3の違い
Garmin Venu 3の特長
Venu 3で進化した点をまとめてみましたが、メーカーの比較はVenu 2からの進化点ということを踏まえる必要があります。
- 第5世代に進化した光学式心拍計
6個のセンサーを備えた第5世代に進化。激しい運動時でも検知エラーを抑えるなど信頼性がアップしました。Forerunner 965も6個のセンサーを備えていますが、メーカーHPでは第4世代と表記されているので1つ前の世代です。 - 睡眠モニタリングの多機能化
使用者へのアドバイスを強化した「睡眠コーチ」や、昼寝を検出し、昼寝のタイミングや長さをアドバイスする「お昼寝検出」搭載とあります。なお、睡眠中の心拍変動を確認できる「HRV(心拍変動)ステータス」が加わったとしていますが、Forerunner 965でも夜間HRVが検出されているので「お昼寝検出」がVenu 3ならではの機能になると思われます。 - 時差ぼけアドバイザー
旅行の予定をGarmin Connect Mobileアプリに入力すると、時差ぼけの影響を最小限に抑えるアドバイスがなされるということですが、私海外旅行しないので、必須機能といえるか微妙ですが... - Garminウォッチで話せる通話機能
これが今回一番興味のある機能です。 互換性のあるスマートフォンとペアリングすると、ウォッチから電話を発信、着信応答ができたり、スマートフォンの音声アシスタントを使用して、互換性のあるスマートホームデバイスの制御やテキストメッセージへの返信などが可能ということで、Forerunner 965にはない機能です。なお互換性のないスマホについてはGarminのHPで公開されています。
同じような機能を持つApple Watchに追いついたといえます。 - その他Forerunner 965と同等機能
Suica対応、AMOLED(アクティブマトリクス式有機EL)ディスプレイ採用、マルチGNSSに対応といった進化点は、既にForerunner 965でも対応・採用しているものなので、Venu 3が追いついたといえます。
Forerunner 965とVenu 3の機能を一覧表で比較
次に、自分にとって重視している仕様・機能面について一覧表で比較します。Venu 3については、画面の小さいVenu 3Sもありますが、私は大画面が好きなので割愛しています。また、Forerunner 965がとほぼ同時期に発売されたForerunner 265も参考に載せてみました。
本体仕様
本体仕様は、両機種ともタッチスクリーンを搭載しており、大きさや解像度も同じです。Venu 3が少し小さく軽いですが、稼働時間や時計としての質感はForerunner 965の方が上といえます。
Forerunner 965 | Venu 3 | Forerunner 265 | |
レンズ素材 | Corning Gorilla Glass DX | Corning Gorilla Glass 3 | Corning Gorilla Glass 3 |
ベゼル素材 | チタン | ステンレススチール | FRP |
ストラップ素材 | シリコン | シリコン | シリコン |
サイズ | 47.2 x 47.2 x 13.2 mm | 45x 45x 12mm | 46.1 x 46.1 x 12.9 mm |
タッチスクリーン | ○ | ○ | ○ |
ディスプレイサイズ | 直径1.4インチ (35.4 mm) | 直径1.4インチ (35.4 mm) | 直径1.3インチ (32.5 mm) |
解像度 | 454 x 454 ピクセル | 454 x 454 ピクセル | 416 x 416 ピクセル |
ディスプレイタイプ | AMOLED | AMOLED | AMOLED |
重量 | 53 g | 30 g (標準付属バンド込み:47 g) | 47g |
稼働時間 | スマートウォッチモード: 約 23 日間 GPSモード: 約 31 時間 | スマートウォッチモード: 約 14 日間 バッテリー節約スマートウォッチモード: 約 26 日間 GPSモード: 約 26 時間 マルチGNSSモード: 約 20 時間 マルチGNSS+音楽再生モード: 約 11 時間 | スマートウォッチモード: 約 13 日間 GPSモード: 約 20 時間 |
防水等級 | 5 ATM | 5 ATM | 5 ATM |
内蔵メモリ | 32 GB | 8 GB | 8 GB |
センサー仕様
いずれもマルチバンドに対応しますが、Venu 3はデュアルバンドGPSには対応していないため、建物、山、峡谷、森林などの影響を受けやすいといえます。また、Venu 3には地図機能も搭載されていません。もし、トレイルランや登山もするのであれば、Forerunner 965一択です。
Forerunner 965 | Venu 3 | Forerunner 265 | |
GPS | ○ | ○ | ○ |
GLONASS | ○ | ○ | ○ |
Galileo | ○ | ○ | ○ |
みちびき(補完信号) | ○ | ○ | ○ |
GNSSマルチバンド | ○ | ○ | ○ |
SatIQ(衛星自動選択モード)機能 | ○ | ー | ○ |
Garmin Elevateリスト型心拍計 | ○ | ○ | ○ |
気圧高度計 | ○ | ○ | ○ |
コンパス | ○ | ○ | ○ |
ジャイロセンサー | ○ | ○ | ○ |
加速度計 | ○ | ○ | ○ |
温度計 | ○ | ○ | ○ |
環境光センサー | ○ | ○ | ○ |
血中酸素トラッキング | ○ | ○ | ○ |
地図機能 | ○ | ー | ー |
ランニング機能
Forerunner 965では、それまで別売りのランニングダイナミクスポッドがなければ計測できなかった、「ランニングダイナミクス」と「ランニングパワー」の計測ができるようになりました。これにより、ストライド幅、地面接地時間と接地時間バランス、上下動、上下動比などがオプションなしで計測できるようになり、自身のランニングフォームを可視化し、改善点などを知ることができます。それ以外の機種でも、別売りのランニングダイナミクスポッドの購入すれば計測することができますが、Venuシリーズは対応機種に記載がありません。
また、トレイルランやウルトララン、トライアスロンといった「自動マルチスポーツアクティビティ」にも対応していないので、やはりラン用途であればForerunner 965が充実しています。
Forerunner 965 | Venu 3 | Forerunner 265 | |
ランプロフィール | ラン、トラックラン、 トレッドミル、屋内トラック、 トレイルラン、 バーチャルラン、 ウルトララン | ラン, トレッドミル, 屋内トラック | ランニング、トラックラン、トレッドミルラン、屋内トラックラン、トレイルラン、バーチャルラン、ウルトララン |
GPSベースの距離、タイム、ペース | ○ | ○ | ○ |
ランニングダイナミクス | ○ | ー (ランニングダイナミクスポッド(別売)非対応) | ○ |
上下動と上下動比 | ○ | ー (ランニングダイナミクスポッド(別売)非対応) | ○ |
GCT(接地時間)とGCTバランス | あり(GCTバランス計測は要互換アクセサリ) | ー (ランニングダイナミクスポッド(別売)非対応) | あり(GCTバランス計測は要互換アクセサリ) |
歩幅(リアルタイム) | ○ | ー (ランニングダイナミクスポッド(別売)非対応) | ○ |
ピッチ(リアルタイムの1分あたりの歩数) | ○ | ○ | ○ |
ランニングパワー | ○ | ー (ランニングダイナミクスポッド(別売)非対応) | ○ |
勾配調整されたペース | ○ | -(記述なし) | ○ |
パフォーマンスコンディション | ○ | ○ | ○ |
乳酸閾値 | あり(要互換アクセサリ) | ー(記述なし) | あり(要互換アクセサリ) |
PaceProレース戦略 | ○ | ー(記述なし) | ○ |
ランワークアウト | ○ | ○ | ○ |
トレイルラン自動クライム | ○ | ー | ○ |
レース予想タイム | ○ | ー(記述なし) | ○ |
コースおよび天候別のレース予測 | ○ | ー(記述なし) | ○ |
フットポッド | ○ | ○ | ○ |
ラン/ウォーク/静止時間検出 | ○ | ○ | ○ |
まとめ
もし、Garminウォッチで通話をしたいならVenu 3を選ぶ方法がありますが、それ以外の性能は全体としてForerunner 965が充実しており、もしForerunner 965を所持しているなら買い換える必要はないように思います。ウォッチでの通話はスマホと連携しなければならず、Apple Watch Cellularモデルのように単体での運用はできない以上、そこまでアドバンテージのある機能とはいえません。
もし、これからGarminのスマートウォッチを買うのであれば、価格帯的にVenu 3と比べるのはForerunner 265です。画面の大きさ(情報量)や稼働時間はVenu 3の方が勝っていますが、ラン機能を重視するなら、さすがForerunnerを冠する265の方が遙かに充実しています。
もし、生活全般のモニターにより健康的な生活を目指したい、スポーツはそこそこ楽しみたいというのであれば、「Venu 3」を選択。マラソンのフォーム改善やタイムアップをガッツリ目指したいなら、2万円ほど高くなりますが、「Forerunner 965」選択すれば後悔はないというのが実感です。